得するよりも損をしたくない

行動経済学でノーベル賞を受賞した
ダニエル・カーネマン氏によると、
 
 
 
人は、
 
 
「自分が得することで得られる喜び」
 
よりも、
 
「損失を受けることで感じる痛み」
 
 
 
のほうが影響が大きいとされています。
 
 
 
 
1万円の臨時収入を得た喜びよりも、
1万円を失くした悲しみのほうが、
感情への影響が大きいということですね。
 
 
 
これは全人類に共通する心理のようで、
 
 
 
ビジネスをする際には、
「人は心理によって動く」
ということを覚えておくといいです。
 
 
 
この心理を学べる「行動経済学」
という分野は、わかりやすいライトな本も
たくさんあるのでぜひ読んでみることを
オススメします。
 
 
 
例えば家具で有名なIKEAなんかは、
「1年間返品無料サービス」を実施しています。
 
 
 
1年間も返品無料なら気軽に購入されて、
気に入らなければどんどん
返品されてきそうなものですが、
 
 
 
実際には返品期間を
長くすればするほど返品率は
下がっていくというデータがあります。
 
(アメリカのとあるデパートでは「5年間返品無料!」という驚きのサービスを実施しているところもあるとか)
 
 
 
なぜそうなるかというと、人は
「いつでも返品できる」という安心感から、
 
 
 
商品を購入しても、いざ月日が経つと、
「返品するのが面倒くさい」という心理が働き、
 
 
 
結果的に
多少気に入らない点があったとしても
返品をしない人がほとんどだからです。
 
 
 
 
「返品保証」によって
返品されるリスクよりも、
 
 
 
「返品保証」によって
上がる売上のほうが大きいことが
証明されているんですね。
 
 
 
この手法を「リスクリバーサル」といいます。
※購入するリスクを取り除いてあげること
 
 
 
 
僕も以前にAmazonで商品を購入して
思っていたのと違ったので、
 
 
 
返品手続きをしようとして
そのまま返品可能期間を過ぎて
しまったことがありました。
 
 
 
→商品ページに行って
→返品ボタンを押して
→返送(発送)処理をする
 
 
 
この簡単な一連の流れを
日常の生活のなかでなぜか優先することが
できなかったんですよね。
 
 
 
どうです?
 
 
 
多少は心当たりがあるんじゃないですか?
 
 
 
商品やサービスを売るには、
セールスのスキルが必要ですが、
 
 
 
人は「心理で動く」ということを理解して
セールスをするのも重要なスキルの一部です。
 
 
 
「50%オフ」という
「お得に買えること」よりも、
 
 
 
「5年間返品保証」という
「買っても損をしない」売り方のほうが、
 
 
 
より大きな売上を生み出すこともある、
ということを覚えておくといいですね。
 
 
 
 
人が消費行動を理由は、
 
 
「快感を得たい」
 
または、
 
「損失を回避したい」
 
 
のどちらかです。
 
 
 
 
「欲しかった服が半額セールになっている」
 
→この商品(サービス)を購入すれば、オトク(快感)だ
 
 
 
「本日までのキャンペーン中に購入すれば、◯年保証がついてきます。※明日から保証はついてきません(期間限定)」
 
→今日この商品(サービス)を購入せず、明日以降に購入すれば損をしてしまう
 
 
 
 
人は得する喜びよりも、
損する痛みのほうを避ける生き物です。
 
 
 
買って得するよりも、
買っても損をしないほうが、
人は動きますので、
 
 
 
覚えておくといいですね。